ぜんそくの主な症状
ぜんそく(喘息)の症状としてよく知られているのは、激しい咳や喘鳴(ぜんめい)などです。とは言え、咳は風邪をひいたり気管に異物が入った時など、日常生活で誰でも経験したことがある、ありふれた症状です。ここでは、咳も含めてぜんそく特有の主な症状についてお伝えしていきます。
ぜんそく(喘息)の主な症状はこの2つ
ぜんそくを発症している方の気道には、慢性的に炎症が起こっています。そのため少しの刺激でも炎症部分が過敏に反応し、激しい咳や喘鳴(ぜんめい)(※1)が起こります。
- 1.激しい咳
- 2.喘鳴呼吸をするたびに、のどから「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が鳴ります。
一方で、慢性的な咳(8週間以上続く咳)にはぜんそく以外にも様々な病気が原因となります。例えば、百日咳やマイコプラズマ肺炎や結核などの感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎、胃食道逆流症などが挙げられます。
ぜんそく(喘息)の症状の特徴
咳・喘鳴・胸苦しさ・呼吸困難などの呼吸器症状が発作的で、現れる時と現れない時があり(可逆的と言います)、時間や強さについてもまちまちで、症状の変動性が大きいのが特徴です。これが他の慢性的な咳症状が出る病気との見分けるポイントとなります。
ぜんそく(喘息)の症状には、時間帯や季節にも関係が?!
風邪などの場合には昼間でも咳が出るのに対し、ぜんそくの場合は、主に就寝中の夜間や早朝に、激しい咳や息苦しさなどの発作が出ます。反対に昼間は、ケロッとしていることも。また発作の時は横になった姿勢より座っているほうが呼吸が楽になるので、咳き込むたびに体を起こしてやり過ごす方も多くみられます。そのため、発作が起こっている時は睡眠不足に悩まされがちです。
また、春先や秋口など季節の変わり目に発作が起きやすいのも、ぜんそくの症状の特徴です。季節の変わり目は、日々の寒暖差が大きいことに加えて朝晩の冷え込みが強いことから、1日のうちでの寒暖差も大きくなります。急激な温度変化は、ぜんそくの発作を引き起こしやすくするのです。
慢性的な咳は、すぐ病院へ
ぜんそく(喘息)には、他の咳をともなう病気とは違った特徴があることが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
- 発作的な呼吸器症状(咳・喘鳴・胸苦しさ・呼吸困難など)が、現れる時と現れない時があり(可逆的)、症状の強さも変動する
- 激しい咳がなかなか治らず、特に夜間や早朝に咳き込むことが多い
- 季節の変わり目など寒暖差のあるときに発作が出ることが多い
- 呼吸のたびに喘鳴がある
このような症状に心当たりがあれば、ぜんそくの可能性を考え、早めに呼吸器内科などの医療機関を受診しましょう。慢性的な咳はぜんそく以外の病気の可能性もありますので、放置せず早期受診を心がけましょう。
(※1)喘鳴はぜんそくの代表的な症状のひとつですが、喘鳴がなく咳だけが続くタイプのぜんそくもあるため(咳ぜんそく)、風邪や気管支炎などと間違われることも多く、注意が必要です。
- 喘息の基礎知識